HOME  >  みんなの声  >  先生のコラム  >  障害体験を終えて

先生のコラム

障害体験を終えて

教務

9月17日に、本校で1~3年生の全校生徒を対象とした障害体験が行われました。

この企画は西岡先生の提案で2009年度に初めて実施され、2年間の沈黙を破り今年で6回目の実施となりました。
「人間は頭で理解していても体験しないと本当のところは分らない。」
医療系の資格取得を目指している学生に将来「本当に患者さんの痛みや辛さが分る鍼灸師になってもらいたい!」という願いから実現された企画です。
実施までには紆余曲折をしながら、そして様々な方の助けがあり、現在のような形態となりました。

高齢期疑似体験システム(シニアポーズ)による「片麻痺」の体験

実際にどのような事を行ったのかといいますと、「高齢期疑似体験システム(シニアポーズ)」というのを使用し「片麻痺」という状態を体験しました。

片麻痺を学ぶことはとても意義のあることです。何故なら身体障害者の分類で、肢体不自由は約半分を占め、その中でも片麻痺は最も多い障害だからです。

片麻痺の多くは脳血管障害の後遺症によって出来る、片側半身の麻痺です。
どんな麻痺かと言いますと、腕は曲げるための筋肉が強くなり、足は伸ばすための筋肉が強くなるので「マンウェルニッケ肢位」という特有の姿勢となります。そんな姿勢を、グッズを使って体験します。

まず腕を曲げたままにするため、副子(プラスチックのコルセットのようなもの)で固定。足は膝にサポーターをつけ曲がらなくし、特殊なスリッパを履かせて、「内反尖足」という特有な変形にします。あとは足首に重りをつけたら準備完了。半身の機能が落ちた片麻痺状態を体験出来るのです。

具体的に杖を使った階段の昇り降りをしたり、グッズをつけていない学生は介助も体験しました。

片麻痺での移動・更衣の体験

後半は小林由紀恵先生によるベッドから車椅子に移る体験と介助、片麻痺での更衣を行いました。
片麻痺なので残った片側の機能をうまく使いながらできるところは自分で行うことも再度意識しての体験でした。

「感覚の麻痺や手指の変形」「目や耳の障害」の体験

今回の障害体験は片麻痺以外にも、「感覚の麻痺や手指の変形を想定した状態」や「白内障」と「難聴」、「ブラインドウォーク(眼を塞いだ状態で歩く)」の体験もしました。

不自由な指で箸を使いお菓子を食べてもらったり、特殊な色の付いた眼鏡や音の聞き取りにくいイヤホンを使い、新聞を読んだりTVの音を聞いたり、介助者の声と支えを頼りに目を塞いで歩くといった体験を行いました。


どれも授業で習ったことですが、実際に自分の体が不自由になることを体験し、より患者さんや高齢者の方の気持ちが分ったと思います。

まさに知識より経験に勝る勉強はありません。学生の皆さんからも、そのような感想が多く寄せられました。

今回の経験から、「肉体の不自由さ」や「その不自由さが恒久的に続くこと」を少しでも実感していただき、今後の患者さんへの対応・治療に役立ていただけたらと思います。

「先生のコラム」トップへ

ページの先頭へ戻る