HOME  >  みんなの声  >  先生のコラム  >  本当は面白い易の話

先生のコラム

本当は面白い易の話

内原拓宗

易と書いて「えき」と読みます。
「駅の話」なら、鉄道ファンの方が読んでくれるかもしれませんが、歴史の中で埋没してしまった「易」について少しでも関心を持ってもらえたら、というのがこのコラムの主旨です。細かい話は抜きにして、今回は昨年大ヒットした「アナと雪の女王」から話をはじめたいと思います。

「アナと雪の女王」、略してアナ雪ですが、すごい流行り方をしました。私自身、映画館にも行きましたし、DVDも買いました。非常に印象的だったのは、ディズニー映画定番の王子様とお姫様の話ではなく、むしろ王子様が悪い奴だったというところです。

前半、アナとハンス王子は運命的な出会いから恋におち、その日のうちに結婚の約束を交わします。姉のエルサはもちろん反対して、姉妹喧嘩になって・・・と話は展開していくのですが、飛び出した姉のエルサを追いかける途中で出会ったクリストフがアナにこう言います。

「出会ったその日に結婚の約束?信じられない。」

今までのディズニー映画定番の、出会って一目ぼれで恋に落ちて、めでたしめでたし、の流れを正面からぶった切るこの発言に思わず映画館で笑ってしまいましたが、確かに娘を持つ親としては、もっと相手を良く見て!と思わずにはいられない部分でもあります。

で、それと易とやらと何の関係があるのか、という話になるわけですが、易が成立した約2000年昔の古代中国でも、すでにそうしたことが書かれていましたよ、ということが言いたい訳です。

易は陰(--)と陽(――)を6つ組合わせて、様々な状態を表現するのですが、今回ご紹介するのは1つの陰と5つの陽からなる「姤(こう)」です。

女へんに、后の字をあてていますが、后は「邂逅」の逅のように「会う」という意味があります。女性が出会う。ここでは、何に、どう出会うかが問題となっていきます。

「姤」の形を見てみるとこうなります。
 
 

一番下に陰が1つ。その上に陽が5つ。

易のお約束として、下から上に向かって時間が進む、と考えますので、一番下は始まりと考えられます。
陽ばかりの中に、突然出現した1つの陰。これを突然の出会いと見て、そうした出会いが魅力的だからこそ、易は「長くは続かないし、お互いのためにならないよ」とこれをいさめています。

アナとハンス王子が「おかしなこと言っていい?」と言いながらお互いの愛を歌い上げるシーンは二人がキラキラと輝いていて印象的ですが、同時に大変な危うさをはらんでおり、実際、ハンス王子は後に自分の欲の為にアナを殺そうとします。

ただ、アナがそうした恋に身を投じるのも仕方がないとも言えます。姉のエルサの魔法をきっかけに城内で抑圧された生活が背景として描かれていました。

そこで、先ほどの「姤」の陰を陽に、陽を陰に反転させると「復(ふく)」になります。
 
 

こちらは5つの陰の下に陽が1つポッと出てきた様子で、季節でいうと冬至を表しています。これから少しずつ日が伸びて春に向かっていく、でもまだまだ寒いよという状態を表しています。

先ほどのアナの話ではありませんが、抑圧されて我慢していた状態から解き放たれたとはいえ(復)、急に新しい状態に身を投じる(姤)と思わぬ大怪我をするかもしれない。
状況の変化に合わせて、少しずつ変えていくことを易は勧めているようにも思います。

今年はアナ雪の続編も公開されるようですから、今からどんな話が展開されるのか、とても楽しみですね。

「先生のコラム」トップへ

ページの先頭へ戻る