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鍼灸師がなぜ占いを勉強するのか?

藤原範往

東洋医学と言うと現代医学のように確立されたものがある思う方もいるかもしれません。でもこれは微妙な問題を含んでいます。

ツボには決まった場所はない?

漢方はともかくとして、鍼灸に関しては何も決まり事がありません。理論的に何もないのです。
よく雑誌などで「肩こりに効くツボは○○です」とか書かれてあって、横にはモデルさんの体にシールで場所を示してあったりします。でも、このツボも本当の場所はだれも知らないんです。昔からツボがあると言われているだけで、決まった場所はないのです。みんな自分の好き勝手に「この辺かな……」と思いながら鍼やお灸をしています。

こんな現状では困るので、日本・中国・韓国が共同でツボの位置を決めました。
ただ、ここで話し合われたのはツボとは何か?本当の場所はどこか?このツボは何に効くのか?ではなく、世界基準の位置を決めておかないと話も通じなくなるためです。
世間の人が知っている「効くツボ」はまさに都市伝説みたいなものなんです。

東洋医学は経験的に出来上がった医学

ただ鍼を打ったり、お灸をしたりして効果のあるのも事実。長く患っている腰痛に鍼を一本刺すだけで良くなったりすることも知られています。
東洋医学は経験的に出来上がった医学です。鍼を打った時には鍼先に伝わる感触を感じ、指先でお灸をする場所を探りだすことが大切になります。これらはほとんど感覚の世界で、言葉にするのは難しいものです。

このような言葉に出来ないものを表現したり、ものごとを解き明かす方法。実はこれらが占いの中に隠されているんです。
「当たるも八卦、当たらぬも八卦」というのを聞いたことがあると思いますが、これは「易」という占いから出た言葉です。

「易」は占いだけではない

この「易」は占いとして知られていまが、ただそれだけではありません。
今で言うところの論理学や数学に似たところがあります。
このことから昔は世の中の原理や法則を表わすために使われていて、学問の中心的立場にありました。ちょっとビックリでしょ。

中国伝統文化の背景にはこの「易」の考え方があります。天文学や数学、地理、政治、兵法、思想、哲学など、関係しないものはないんです。
鍼灸あるいは東洋医学も例外ではなく、同じように「易」の視点で考えられています。
東洋医学には決まった理論かないと言いましたが「易」の考え方がその役割をしています。

東洋医学を理解するためには「易」を知ることが不可欠なんです。

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